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さて、上海クラシックホテル巡り・・・
その第二回目は、今回最も訪ねてみたかったホテルです。

地下鉄1号線の陕西南路駅から、並木が続く通りを歩くこと10分程度、
突然周囲とは一線を画する空間が・・・!

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そのホテルの名は「モラーヴィラホテル( Hengshan Moller Villa Hotel)」。
中国名は「衡山馬勒別荘飯店」です。

この建物は、上海で海運業等により財を成したスウェーデン系英国籍ユダヤ人であるエリック・モラー氏の自宅として、1936年に10年の歳月を要して完成しました。
しかし新築からほどない1941年に日本が米英に宣戦布告して第二次世界大戦が勃発。上海のユダヤ人は強制収容所に入れられることになり、結果的にモラー氏は家族とともに上海を離れざるをえませんでした。
その後この館は上海を制圧した日本軍の将校倶楽部となり、戦後は国民党、共産党が使用し、
2002年にはモラー氏の名前を冠したモラーヴィラホテルとして新たに営業を開始することに・・・

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そのあまりにもデコラティブな、まるで複雑なお菓子の家のような外観にしばし圧倒されてしまいますが、それもそのはず・・・
この建物は、モラー氏が溺愛した末娘の
「アンデルセンの童話に出てくるようなお城が欲しい」
というお願いを聞いた氏が、その物語に出てきたお城に忠実に造らせた家だったのですから。

だからこの建物については、
北欧風とか英国様式とか中華様式とか言ったカテゴライズは似合いません。
だってお伽の国の館なんですから!?

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さあ、ではそのお伽の国の館の内部へ・・・

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そこは、アーツ・アンド・クラフツの真髄とでも言うべき空間!
小さなロビーの素晴らしさは、ここに何時間でも居ることができそうなくらい・・・

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そのロビーの裏側は打って変わって薄暗い空間なのですが、美しい彫刻が施された木製の建具や階段・・・もう惚れ惚れしてしまいます。


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ロビー正面の階段をゆっくり踏みしめて二階、そして三階へ・・・

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落ち着きと気品を兼ね備えた、いかにも戦前の魔都上海らしい物語を持つ
この「モラーヴィラホテル」・・・
ちなみにモラー氏は1952年にシンガポールでの飛行機事故で亡くなり、
2度とこの愛娘との想い出のお伽の国の館を訪れることはなかったそうです。。。


【後編】ではこのホテルのまた違った魅力をご紹介させていただきますのでお楽しみに!