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きょうはE-TYPEを駆り出して、南青山へ。

その目的は、憧れのレストランである「ロアラブッシュ」で食事をするためでした。

ちょうど青山学院大の裏手にあたる一等地の住宅街に、戦火や震災を乗り越えた、そのアールデコ様式の洋館は静かに佇んでいました。

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江戸時代から続く煙草商、千葉商店の御曹司であった千葉常五郎が鍋島家の令嬢と結婚する際に、父親が結婚祝いとして1934年に建てた優雅な邸宅・・・

1981年からは会員制クラブ/レストランとしてスタートし、今に至ります。
ちょうどその年に社会人となった僕は、確か雑誌『ブルータス』で知り、長らく垂涎の(=仏語でロアラブッシュ!)存在でもありました。今となっては、クルマで乗り付けることの出来る貴重な戦前の洋館を使用したレストランなんてもうココぐらいしか残っていないのかも知れません。


予定よりも早く到着したので、お店の方に来訪の意を告げたあとは、しばしE-TYPEを撮影・・・
曇ってたらもっといい写真になったんだけどなァ~


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さて、一通り撮影も済ませていよいよ中へ。
まず目に飛び込んできたのは繊細な螺旋階段でした。
あまりにも優雅で耽美的な・・・


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待合室にあった暖炉の金属カバー(↑)と、レストラン入り口にあったガラス製レリーフ(↓)・・・
なんだか既視感を覚えてしまったのですが、これは白金にある同じくアールデコ建築の傑作、この建物の前年に竣工した朝香宮邸の影響を色濃く受けているんだそうです。というよりも、ガラスのレリーフは朝香宮邸のラリック作のものを真似て造らせたんだそうで・・・

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もう食事をする前にお腹いっぱいになるくらい素晴らしいアールデコ建築のエッセンスを摂取していたのですが、庭がよく見える気持ちの良い席に案内していただいて、いよいよ・・・



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建物と同じく繊細で濃厚な料理の数々・・・

夢中で平らげたあとは、お店の方に他のフロアを案内していただきました。

現代的に直している部分も多々あるものの、
この建物の持つ耽美的で妖しい空気をより増幅させているような・・・
例えば至るところに飾られているロシア出身のアールデコ様式の芸術家、エルテの作品はまるでそれ自身に命が宿っているかのよう・・・

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上は地下のワインセラーなんですが、以前はなんとプール!
ワインが置いてある場所はもともとは水で満たされていたそうなんです。
青く光る天井が、きっと水面の位置だったんでしょうねェ~
驚くべきことに、竣工した1934年に来日したベーブ・ルースはこの建物、当時の千葉邸を訪ね、今はワインセラーとなっているこのプールで泳いだそうなんですョ!


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奇跡的に都内中心部に残るアールデコの館で芳醇な時間を過ごし、再びE-TYPEのエンジンを目覚めさせて帰路に・・・

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去年登録有形文化財に指定された美しい建物をあとに、高樹町から首都高に入って一気に横浜へ。

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実に満たされた一日だったなァ・・・
で終わるはずだったんですが、好事魔多し!?

家まで500mくらいの場所にあるセブンイレブンで煙草を買おうとそのパーキングに入り、
用事を済ませて再びエンジンを始動させ、バックしようとしたところ・・・
ギアが入りません!
やっと入ったと思ったら今度はエンスト・・・
クラッチペダルは妙~に柔らかい!
今年の車検で交換しようと思っていたクラッチが遂にダメになったようです。

なんとかだましだましガレージにたどり着いたんですが、
主治医にすぐに電話してレッカーで取りに来てもらうことになりました。
ああ、緊急入院・・・!

う~ん・・・
でも自宅近くで良かったよなァ~
こないだ行った三浦半島や、きょうの青山で壊れたら大変なことになってましたからネ。

やっぱ、ウチのE-TYPEはいいコだったんだなァ。。。