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さて、最近横浜を舞台にしている小説ばかりを読んでいるので、
きのうはブラっと山下町まで行ってみました。
もちろんオリンパスPEN-Fの撮り具合を確かめる意味あいも兼ねて。
で、昼飯を食おうと思ってやってきたのは中華街。
小説にも度々登場する街なのですが、
昨今のコロナウイルス騒ぎで客が減り、とても苦しんでいる街だからこそあえて行ってみたいという気になったのも事実です。

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平日の昼間は元々ヒトはそれほど多くはないと思うのですが、
メインストリートもそうだけど脇の路地に入り込むとホントに人影もまばら・・・
そういえば華正樓や萬珍樓は本店を閉鎖して新館しか営業してませんでしたからねェ~
飾り付けの赤い提灯も、なんだか寂しげです。

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そんな感想を抱きながら歩いていると、
現在の中華街には珍しい昔ながらの外観を持つ店に気が付きました。

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「清風楼」・・・
二階に赤い欄干を備え、控えめなディティールの外観にノスタルジックな字体の看板・・・
最近の中華街は「安楽園」や「華勝楼」などの魅力的な造りの古い店がどんどんと取り壊されて、ケバケバしい色遣いの ” シュウマイ世界チャンピオン ” だの ” 肉まん世界チャンピオン ” だのと謳った店ばかりになってきてしまいましたが、このような控えめで品のある中華スタイルの店がまだ残っていたんですねェ~

なんでも、かの池波正太郎がここのシュウマイを贔屓にしていたらしいのと、
チャーハンが有名らしいんですが、とりあえずは入ってみますか・・・

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店内もゴテゴテした中華料理店らしい装飾が一切ない・・・というか殺風景ですらある雰囲気。
二階へ続く階段が朱色に塗られている以外は簡素なものです。
壁にはシュウマイに心血を注いだ初代のモノクロ写真が飾られていますが、
これが結構イイ男なんだよなァ~
思わず昔の芸能人かなにかだと思っちゃいましたョ!

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さあ、久しぶりに歩いて喉も乾いたので、まずはビール!
こういう昔ながらの空気が流れている店には、
やはりキリンラガーが似合いますよねェ~

で、チャーハンよりも麺が食べたい気分だったのでチャーシューメンを。
周囲を赤く色づけられたチャーシューが、旨そうに湯気に揺れています・・・

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そしてもちろん名物のシュウマイも・・・

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チャーシューメンもシュウマイも、
とてもあっさりした味わいだったんですが、ビールを飲んでる僕の舌には正直言って何かがちょっと物足りなかったかナ・・・
物足りないというのは、簡素すぎる?恐らくは味の濃さという点なんですが、もしかしたら池波正太郎が絶賛した当時と今では日本人の味に対する好みも変わってしまったのかもしれません。
僕もスパイシーなインド料理や担々麺、コンビニの味を濃くして美味いと感じさせる多くの商品を散々食べてきたわけですからねェ~

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そういった意味では、
この「清風楼」、店の造りだけではなくその味も昔ながら。
令和の時代に合うかどうかは別として、
外連味のない、昭和の面影をリアルに残す貴重な存在なのかもしれませんネ。。。