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昨日はサッカーの試合だったのですが、
そのプレーしたグラウンドを見渡す一段高くなったところに
旧林愛作邸はあります。
20世紀の偉大な建築家、フランク・ロイド・ライトが日本に遺した
唯一のプレーリー住宅・・・・
ライトの作品は本国アメリカ以外では、
日本に3件があるのみ。明治村に移築された旧帝国ホテルを入れても4件です。

林愛作は当時の帝国ホテル支配人であり、
この家は、帝国ホテル設計のお礼にライトがいち早く設計し、竣工させたと言われています。
1917年にこの建物が作られた頃には、
駒沢も雑木林に囲まれた、起伏ある地形を持つ東京郊外の一地域だったに過ぎず、
ライトもそこに元々得意だったプレーリー住宅(草原住宅)を
造ろうと思ったにちがいありません。

玄関まわりは大谷石が多用されるとともに、
ライト建築の特徴である水平を強調したシャープで深い軒、
日本的な狛犬(?)のような石像・・・・
アメリカと日本のデザイン文化のマリッジを象徴しています。

建物を庭側に廻ると、
広い池の奥に、やはり水平を意識した軒と垂直を意識した窓を持つリビングルームが・・・・
その姿は、
駒沢に出現した”プチ帝国ホテル”と呼ぶにふさわしい光景です。

林愛作は帝国ホテルの建設費があまりに膨らんだことで支配人を引責辞任し、
ライトも1923年のホテル完成を前に、追われるような形で日本から離れました。
旧林愛作邸は、帝国ホテルと並行して造られていることから
大谷石を始めとする建設部材は共通であったことが推測されます。
云わば、血を分けた兄弟・・・・

彼は、支配人の職を解かれたのと引き換えに、
”自分だけの帝国ホテル”を
手に入れたのかもしれませんね。