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さて、北陸の旅で二日目に宿泊したのは、瑞泉寺の石垣から道を一本隔てた場所にある旅館「東山荘(とうざんそう)」でした。
元禄時代創業の、館内には昭和初期の井波欄間や彫刻・美術品が飾られている文人墨客に好まれてきた、この街随一の老舗旅館・・・
最近では白州正子、桂三枝、高島礼子、立川談志さんなども贔屓にしていたらしいのですが、なんといっても池波正太郎さんの愛した宿として知られているそうで、父方の祖先がこの井波出身の職人だったことを後年知った池波さんは度々この地を訪れ、その時は必ずこちらに宿泊されたそうです。

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では昭和初期に建てられたままの姿を今に残す「東山荘」の木製扉を開いてさっそく中へ・・・

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僕が予めお願いしていたのは階段を登ってすぐの処に入り口のある『藤波』の間、池波正太郎さんがいつも宿泊された客室です。菊の欄間が嵌め込まれ、井波彫刻が飾られた書院造りの端正な部屋・・・

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なによりも、その窓からは瑞泉寺の山門が真正面に!

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火灯窓も美しい・・・

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よく見ると、隣の部屋との壁の上部も近江八景を題材とした欄間があるので、この部屋では計4つの井波欄間を鑑賞することが出来るんですねェ~

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そんな、池波正太郎さんの愛した空間でちょっと早めの夕食・・・

食べ終わった頃に女将さんが見せてくれた宿帳には
池波さんの直筆の署名と小さな茄子(大好物だったそうな)の画が描いてありましたョ!

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風呂にも入ったし、
今宵は・・・池波さんの随筆でも読みながら素敵な夢でもみましょうか・・・






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翌朝、まだあたりは暗い様子なのですが、夜のあいだに積もった雪の光をなんとなく感じる中、朝食をいただき、その後はいつものように館内の他の座敷を見学させていただきます。

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冬場は雪に閉ざされ、どうしても室内が暗くなりがちだからでしょうか・・・金沢などでも見られるような、真っ赤な壁を用いた座敷もいくつかあったようで、外の雪景色とのコントラストがなかなか素敵でしたョ・・・

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ところで・・・
そんな感じで「東山荘」の建築を楽しんで、
雪の積もった井波の街を少し散歩しているうちに
そろそろ出発の準備をしなければならない時間になってきました。



で、荷造りをすべく自分の部屋に戻ってみると・・・
なんと!

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火灯窓がピンク色に!
おそらくは裏にある赤いカーテンを通して朝の強い光が差し込んできているんだと思いますが、
まるで大きなハートみたい・・・
そういえば・・・今朝は2月14日だった!

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そんな、バレンタインデーの奇跡(?)を体験した興奮さめやらぬままに
僕は朝一番のバスに乗り込んで井波の街を後にしたのでした。。。