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昨日の記事でご紹介させていただいたように、北陸の旅の帰路は高山本線を利用したのですが、もちろん高山にも途中下車。
ただし滞在時間は3時間だけ。
なのでその目的は、ほぼ昼飯を食べることのみに特化してみました。
名づけて”高山フルコース”・・・

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雪が舞う中、高山駅から滑りやすい道を歩いてまずやってきたのは上三之町。
全国的に名の知られた、泣く子も黙る国の重伝地区に指定されている通りです。
1970年代以前より道路を舗装し、電柱を地中に埋め込むなど、早くから保存に取り組んできた、お手本のような街・・・
生憎の(それとも高山らしいと云うべきか?)天気にもかかわらず、
両側を歴史的な商家で囲まれた路地にはたくさんの観光客が・・・
まるでオトナのテーマパークですネ。

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そんな古い町並みをブラブラと・・・
この上三之町・・・云わば高山フルコースの”前菜”といったところです。
で、メインディッシュはというと、
その上三之町が広い通りに突き当たった正面に、形の良い松を前面に落ち着いた佇まいを見せる料亭「洲さき」なのでした。

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しかしどうです?この圧倒的な存在感・・・

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さて、いよいよその暖簾をくぐって建物の中へ・・・

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司馬遼太郎の「街道をゆく」にも登場するこの高山随一、いや岐阜県最古の老舗料亭は、寛政六年(1794年)の創業。そして驚くべきことに、建物の入り口の部分はその時・・・江戸後期のままの姿を今に残します。

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太い梁、高い天井、繊細な格子に囲炉裏・・・
素晴らしい空間は、いったいここに何しに来たのか忘れてしまうほどの興奮を覚えさせてくれました。まさに江戸時代にタイムスリップ・・・!

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そんな状態でしばし茫然としていた僕を、仲居さんが案内してくれたのは、長い廊下を奥に入って左側の竹の植えられた坪庭に面したまるでお茶室のような部屋でした。様々な材料を駆使しながらも、上品に、シンプルにまとめられた素敵な空間・・・

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まずはビール・・・
そして前もって頼んでおいたビフテキ会席の料理が順を追って運ばれてきます。
料理もいいけど・・・器が素晴らしい!
木製の道具は、全てが春慶塗りを使っているのです・・・

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最後は念願の飛騨牛のステーキ。
この「洲さき」は宗和流という日本料理の源流となった会席が名物らしいのですが、やっぱりそろそろ肉が食べたくなっちゃいますもんねェ~
ご飯をよそおった春慶塗のお櫃も、もう感動モノでしたョ。

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食後はいつものように館内を探検・・・
飛騨の伝統様式・・・豪壮さと繊細さを持ち合わせた美しい料亭建築を満喫させていただきました。

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創業時から220年・・・地方の料亭としては少し値は張りますが、まるでその当時のままの空気が流れているかのような空間に自分が存在できること、そしてそこで地元ならではの食材を、地元の最高の伝統工芸品で味わえること・・・これ以上の贅沢は、ちょっと考えられないかナ・・・・
とも思えた”高山フルコース”のメインディッシュ、料亭「洲さき」・・・

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ちなみにその帰りがけに渡った、「洲さき」を望む宮川に架かる赤い欄干を持つ中橋は、さしずめ最後を締めるデザート・・・といった風情なのでした。。。。