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母になれても 妻にはなれず
小さな僕を 抱きしめて
明日におびえる 細い腕
円山 花街 母さんの
涙がしみた 日陰街


金曜の夕暮れ時、大勢の若者で埋まった渋谷のスクランブル交差点を抜けて、
きょうは、三善英史の1973年の大ヒット曲 『円山・花街・母の街』で一躍名を馳せた、円山町界隈へ・・・

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円山町は渋谷の道玄坂を上った右手に位置し、ちょうど松濤と神泉に囲まれた元花街として知られていますが、かつては数多くの芸妓の置屋や料亭などがひしめき、三業地としての賑いをみせていました。前述の三善英史もこの街で芸者の息子として生まれ育ったんだとか・・・
しかし時代の変遷とともにそれらの数も減り、今ではラブホテルが林立する カップル向けのエリアとしての方が有名なのかもしれません。

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そんなかつての花街で、一際異彩を放っているのが狭い路地に囲まれたこのあたり・・・
料亭「三長」はまさに周囲とは一線を画するノスタルジックな異次元の世界、古き良き大人の遊び場・・・といった風情を残します。その敷地内には幾度もの震災を生き延びてきた道玄坂地蔵尊が手厚く祀られているのですが、その御利益なのか、この辺りは奇跡的に空襲の被害を免れたそうで、この「三長」の建物自体も約百年前、戦前からのものなんだそうです。

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ところで料亭「三長」も時とともに変わることを余儀なくされたようで、今では敷地内に独立した他の4つの店舗を展開しています。ちなみに上の写真が本来の料亭のエントランス・・・
やはり・・・なかなかのハードルの高さ、感じますよねェ~

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さて、今宵訪れたのは割烹「三長」。オープンしてまだ2年なのですが、こちらも歴史の重みを感じさせる店構え・・・
さっそく中に入っていくと、いかにも元料亭の建物・・・といった雰囲気の、和のアソびゴコロ溢れる内装が目に飛び込んできます。

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圧巻はこの鯉が泳ぐ池を持つ中庭・・・
鏡を使った効果なのか、赤い太鼓橋が幾重にも映ってとてもイイ感じ!

で、個室に案内されたあとは、ちょっと贅沢にフルコースを・・・
さすがは文人墨客からアンダーグラウンドな方まで様々な人々を受け入れた花街を生き抜いてきた店だけあって、味もホスピタリティーも最高でしたョ!

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かつての三善英史の大ヒット曲の歌詞の物悲しさとは裏腹の、至福の時間が21世紀のこの場所にはあったようで・・・

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大満足で外に出てみると、
夜も更けた円山町は、一層妖しい光に包まれていたのでした。。。