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さて、藤沢市内にはフランクロイド・ライトの代表的な弟子2人の作品が残されています。そのうちの一人、アントニン・レーモンドの作品を訪ねるべく、僕は小田急線に乗って善行で降りることにしました。
坂道を登りながら歩くこと十数分・・・
目的の県立体育センターに到着です。

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ここ・・・実は僕が中学生の時からほとんど変わっていない・・・
というかその当時から相当ボロかったんですが・・・

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で、いよいよ見えてきました。
アントニン・レーモンドが設計し、昭和7年に完成した旧藤澤カントリー倶楽部のクラブハウス・・・
実はこの体育センター、元々はゴルフ場だったんですよねェ~
当時は日本有数のコースだったらしく、富士山や江ノ島、相模湾を望む名門倶楽部で皇族、各国大使、政治家、財界人、作家などなどが交流する華麗な舞台だったそうで昭和9年に来日したベーブルースもここでプレーを楽しんだそうな・・・

しかし戦争が激しくなるとこのスパニッシュコロニアル様式のクラブハウスは海軍に徴用されて昭和18年にゴルフ場は閉鎖されてしまうことに・・・

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そして戦後はアメリカ軍に接収・・・
返還後の昭和30年に県営藤沢総合運動場の合宿所として再び一般に開放され、以後は「グリーンハウス」と呼ばれて今に至ります。
遠目から見ても建物自体は相当傷んでるようなのですが、
シンプルかつ華麗なレーモンド建築の美しさが感じられますよネ。

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しかし・・・
老朽化の成せる業なのか・・・なんだかそこかしこに滅びの予兆が漂うその姿・・・でもそれがもしかすると逆にこの建物を竣工時よりもより魅力的に見せているのではないか・・・
なーんて感想も頭をよぎります。
ではさっそく車寄せのあるファッサードから中に入って行きましょうか・・・

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細かなタイルで幾何学模様がカラフルに描かれた床を踏みしめて直線的な階段を上がった先は・・・

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今は食堂として使われている大空間が・・・
そのスケール感、レトロ感、ヤレ感・・・しばしコトバも出ない素晴らしさです!

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で、学生や近所の方々が集うこの食堂はリーズナブルな価格でいかにも運動選手向けらしくボリュームたっぷりの食事をとることが出来るのです。
僕はロースカツ定食七百円也を・・・
セルフサービスなのでカウンターまで取りに行き、好みのテーブルに座って・・・

とんかつ好きとしては、レーモンド建築で食すロースカツ・・・ある意味究極です!

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食事のあとはバルコニーから外に出て、建物周りを散策。
いやァ~ヤバいョ・・・廃墟化、進行してます・・・
なんだか無常観すら感じてしまう耽美的な世界、
昔見た JUN & ROPE のCMに登場した古城のような佇まいです。
中学生の頃にこの建物を見た時はとてもそんな風に感じることもなく、
単に古くて汚い・・・としか思えなかったけど、
オトナになるってこういうことなんだよなァ~

それにしてもターコイズ・ブルウの屋根瓦やタイルが、素敵すぎます・・・

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今にも朽ち果てそうなレーモンド作、日本最古のクラブハウス建築・・・
しかしそれは80年以上の年月を積み重ね、風化しながらも熟成された美を醸し出していました。
変に修復されることなく、このままの姿でなんとか残って欲しいよナ。。。