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さて、大阪出張二日目は、仕事を終えた後に若い後輩2人を連れて地下鉄に乗り日本橋(にっぽんばし)へ。黒門市場の前を通ってやってきたのは千日前商店街です。

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あくまで僕のイメージなのですが、この千日前という場所は十三と同じく大阪の中では最もノスタルジックで昭和を感じさせる歓楽街・・・
十三は三年前に火災で大打撃を受けましたが、ここも1972年、千日前デパートで火災が起き、その7階にあったアルサロ「プレイタウン」の客とホステスを中心に118人の犠牲者を出したという悲しい歴史を持った街でもあります。
それはいまからちょうど45年前の今月、5月の出来事だったんですよねェ・・・
その前にも戦災に遭ったり、明治45年にも大火災に見舞われ、この地にあった遊郭街が消滅の憂き目に遭ったという・・・
なんだか負の宿命を背負った歓楽街とも言えそうですが、その度に甦る生命力も保持しているのかもしれません。

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で、今宵は・・・
戦前から戦後にわたって、幾多の困難にも屈せずに人々に娯楽を提供し続けて来たであろう、そんな場所で長年店を構える老舗すき焼き屋の「本せきぐち」へ・・・

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創業明治17年!
夕暮れ時・・・ネオンが灯り始めたノスタルジックな繁華街に残る、
実に素敵な古き良き日本の料亭建築・・・
二階の座敷からもれてくる明かりに早くもココロ動かされます。

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では若い衆を連れてさっそく・・・

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仲居さんに付いて階段を上り、案内されたのは小ぶりな座敷でした。
実は元々2名で予約を入れていたのですが、ほんの1時間前にひとり追加したので狭いかとも思ったんですが、
まあ、酒を酌み交わすにはちょうどよい広さなのかもしれません。

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木製の欄干ごしに見える伝統建築・・・
眼下に見渡せる中庭には誂えられた池に鯉が泳ぎ、
ここは千日前の雑踏からはもう別世界!

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まずは先付けを肴にビールで乾杯。
嗚呼・・・明るいうちに飲む酒って、どうしてこんなに旨いんだろう!?

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そしていよいよ・・・
まるで太陽を思わせる、大輪の肉の花(?)が登場!
もう・・・コトバもありません。

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ところでこの「本せきぐち」は、老舗すき焼き屋の共通流儀、すべて仲居さんが調理してくれるのですが、まず始めは牛脂を中心にそえて大粒のザラメ砂糖をパラパラと・・・それに醤油で味付けます。
コレ、ウワサには聞いていましたが、
This is SUKIYAKI of KANSAI!ってな光景だよナ。

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欲望をかきたてる香りで満たされた空間で一際存在感を放つ、
まるで大きな恒星のように強烈な赤い輝きを放つ鉄鍋と、周囲の惑星の如く鮮明な黄色の光を放つ3つの器・・・
そんな遠大な妄想を繰り広げていると・・・仲居さんの箸がコチラの方へ動き・・・

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おお・・・なんとココロを揺さぶる目の前30センチにある小宇宙!?
たっぷり玉子を絡めて・・・
もはや僕のカラダは極上の無重力状態?
それは決して飲み続けてきたビールのせいでないことはもう明白です!

おまけに窓からの景色も・・・

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すき焼きの”第二波”を受け止めたところで、トイレに行くついでにちょっぴり館内探険をしてみることにしたのですが、この戦後に浜寺から移築された部分は百年建築。
う~ん・・・なんともいい味を出していますねェ~

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関西風すき焼きを堪能しながら何本ものビールを空け、それぞれが日本酒やレモンサワーを飲りはじめる頃になると、宴はそろそろ終盤です。

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〆は旨味をたっぷり吸い込んだうどんとデザートで・・・
帰りがけに満室だったため見学出来なかったお座敷もちゃんと拝見させていただきましたョ!

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千日前「本せきぐち」・・・
この味は、きっと3度あったこの歓楽街の大火をその都度跳ね返してきた人々の歴史が刻まれてきたからこその、深みを持つ味なんでしょうねェ・・・


って具合に美しくまとめようと思ったんだけど、一歩外に出ると・・・

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ヤバい・・・ネオン街が素敵すぎるョ!
こりゃあもう若者道連れに”出撃”するっきゃないよナ。。。。!?