
ホテルが建っている小高い丘から近道の階段を降りて行くと、そこには小さな洋館が。

これは、蒲郡ホテルの前身であった料亭旅館常磐館を再現したもので、菊池寛、志賀直哉、谷崎潤一郎、山本有三、井上靖、川端康成などの文豪たちが滞在した、在りし日の姿を今に伝えます。

そしてそのすぐ横には沈み行く太陽を背景にした竹島橋・・・
暮れないうちに、先を急ぎます。




あたりに人影は見えず、ただ水鳥が舞うだけの竹島橋・・・
吹き付ける冷たい風が、荒涼感をつのらせます。


振り返ると、蒲郡クラシックホテルの優美な姿。
なにかに憑かれたかのように、突然鳥たちが飛び立ち・・・



竹島は、三河湾に浮かぶ周囲680mの無人島なのですが、その植生が特異なことから天然記念物に指定されています。
島の大部分を占めているのは八百富神社・・・
竹島弁天とも呼ばれているそうです。



その石段を登る途中から眺める景色は・・・もう絶景!



しかし・・・暗がりの神社に独りというのも、なんだか妙な気分。
あたりを支配する空気が・・・こころなしか濃厚なような気が・・・
背中がゾクゾクするのを感じながら、境内を奥に進みます。






知らず知らずのうちに、緊張感を強いられるひととき。
幽玄、清冽、厳か、神妙、畏怖、メランコリー・・・様々なコトバが浮かんでは消え・・・






ほんの僅かな時間だったはずなんだけど、
ものすごく長く感じた竹島滞在・・・

八百富神社の石段を降りてみると・・・
いつのまにか潮は満ち、
鳥たちは既にどこかに姿を消してしまっていたのでした。。。
コメント