

そこには、
闇に包まれたチューダー様式の洋館が醸し出す実に妖しい光景が・・・
煙草に火をつけるのも忘れて、
しばし見惚れてしまいます・・・









スペイン風の建築物を連想させる、コテでいくつもの弧を描いたようなざっくりとした質感の壁は、光に照らされてなんとも言えない複雑な陰影を生み出し、昼間とはまた違った表情を見せてくれています・・・
それはまるで、大韓帝国の皇太子として日本に連れて来られ、朝鮮併合とともに宮家に組み込まれ、終戦とともに皇位を剥奪されて国籍を無くした李氏の波乱の人生の光と影を表しているかのように・・・
たとえ綺麗に修復されているとしても、
そんな歴史がこの建物には魂として宿っているのかもしれません。

さて、披露宴も終わり、なにか寂しげな館内。
さきほどまでの喧騒も、まるでなかったかのよう・・・
しかし、そこにはこの建物で90年近くに渡って繰り広げられてきたであろう数々の華麗な饗宴のエッセンスが凝縮されているかのような、なにやら濃厚な空気が流れているような気もしてきます・・・




















赤坂プリンス クラシックハウス・・・
全面改装時に取り壊されることなく曳き家で40メートル以上移動させた上で保存された旧李王家邸は、

戦前~戦後の歴史の動乱に巻き込まれた一族の語り部として、
現代のTOKYOにやっと安住の地を得たんですねェ。。。
コメント