イメージ 1

昨日の記事でも触れましたが、金沢に到着した日の昼食は、犀川のほとりに建つ明治28年創業の老舗料亭「山錦楼(さんきんろう)」で・・・
実は今回の旅は、宿泊もホテルなどではなく伝統的な佇まいの日本旅館、食事も全て昔ながらの料亭建築を残す老舗で・・・と決めていたのですが、その初回に選んだのがこの大正時代の建物がそのまま残る「山錦楼」なのです。

イメージ 2

金沢の寺町と言われるエリアにあり、蛤坂の途中にある「山錦楼」の店舗は、この場所に移転してきた大正11年に建てられ、その後昭和初期にかけて増築されて今の姿となりました。
道に沿ってアールを描く木造三階建て・・・裏にあたる犀川から眺めると四階建てなのですが、地下(?)部分を含めるとそうなるのです。

いずれにせよ、これほどの大型料亭建築自体がもはや全国的にも珍しい存在・・・


イメージ 3

イメージ 4

かつては、その高さでも周囲を圧倒したであろう 歴史の重みを感じさせる佇まい・・・

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 46

その上、目立つ店名看板などは一切なく、この表札のみ。
いかにも敷居が高そうな感じですよネ!

イメージ 7

イメージ 8

到着前から準備していただいたのでしょう・・・
店の前につくと引き戸が開き、女将さんに出迎えていただきました。

中は・・・

イメージ 9

重厚な外観からは想像もつかない、コバルトブルウに彩られた世界・・・

イメージ 10

イメージ 11

まず始めに通されたのは玄関すぐの場所にある待合室。そこに何気なく置いてあった精巧な細工を施された煙草盆からも、この料亭の凄みが・・・

イメージ 12

お茶を出していただいて一服した後に、準備が出来たようなので階段を上がって三階へ・・・

イメージ 13

イメージ 14

イメージ 15

イメージ 16

イメージ 17

通されたのは竹の間。うぐいす色の壁を持ち、遊び心に溢れた意匠を持つ華麗な(?)お座敷でした。

イメージ 18

イメージ 19

イメージ 20

イメージ 45

犀川をはるかに見おろす絶景を楽しみながら、まずはビール。
そして先付を・・・
料理もそうですが、器も素晴らしいですよねェ~

イメージ 21

イメージ 22

イメージ 23

イメージ 24

イメージ 25

イメージ 26

年代モノと思しき塗物の蓋に映り込む、雪見障子と青い空も・・・実に美しい!

イメージ 27

イメージ 28

イメージ 29

お造りが出てきたところでキリンラガーも2本めに突入・・・

そのタイミングでトイレに行ったんですが、あらためて見るとこの階段室って、ホント複雑かつ幾何学的な造形だよなァ~と感心してしまいます・・・

イメージ 30

イメージ 31

イメージ 32

イメージ 33

イメージ 34

大きくて脂の乗ったカマス(↑)に加賀名物の治部煮(↓)。
昔ながらのしっかりした味付けで酒も一層すすみ・・・

イメージ 35

イメージ 36

イメージ 37

古い九谷焼と鮑・・・これはもう最高の組み合わせ!?

イメージ 38

イメージ 39

締めのイクラご飯とデザート・・・

イメージ 40

美味いモノって、やっぱ料理は当然としてそれを盛り付ける器、その器が出される場所やそこに流れている空気…にも満足できなきゃダメなんだよなァ~

な~んて贅沢なコトを偉そうに再認識してしまった金沢・「山錦楼」・・・

イメージ 41

ちなみに上の写真は隣の部屋、松の間なんですが、コチラも素敵!

イメージ 42

イメージ 43

大正時代に建てられた和の摩天楼?で、色とりどりの加賀料理を堪能して、ふと外廊下奥のステンドグラスから外を眺めてみると・・・

イメージ 44

そこには…さっき渡ってきたばかりの犀川大橋の姿が、まるで昔日のネガフィルムのひとコマのように 赤く小さく映し出されていたのでした。。。