さて、金沢滞在での最後の昼食にやってきたのは、近江町市場にほど近い尾張町にある料亭「壽屋」でした。
その店舗は江戸末期、約百五十年前に建てられた呉服問屋の屋敷を大正10年に料亭としたものです。
蔵に隣接する、明らかに増築を繰り返したと思しき大型和風建築は・・・もう圧巻の眺め!
さっそく暖簾をくぐって中へ入ると、
そこにはいくつもの太い梁と階段が描き出す、幾何学的な和の空間が・・・
実に、素晴らしい光景です。
で、通されたのはそのエントランスのすぐ左に位置する四季の間。
江戸時代に造られた、中庭を臨むことのできる二間続きの座敷でした。
床の間近くに置かれたお膳と座布団・・・
でもせっかくなので障子を開け放ち、庭がよく見える真正面の場所に移動して・・・
ビールとともに加賀料理の数々を楽しみます。
料理と料理の合間には、庭に出てみて少しお散歩。
ホロ酔い加減で庭やこけら葺きの屋根を持つこの座敷の外観を愛で・・・
なかなかに優雅なひとときです。
さあ、お造りが出された頃にはビールは早くも2本めに・・・
美しい和の空間にいると、どうしても酒がすすむんだよなァ~
三日間で五回目の治部煮!?
この「壽屋」のも美味しかったなァ~
イクラ飯とデザートで締めなんですが、食後には女将さんに他の部屋を見せていただきましたョ!
大正初期に茶室として造られた侘びの間・・・
↓↑昭和初期に造られた豪壮な大広間・・・
でもやはり、この玄関周りの造作が最高だよなァ~
日本建築が生み出す光と影の美が・・・この場所には如実に現れているのですから。
この「壽屋」では、上品な加賀料理はもちろん江戸~大正~昭和の見事な空間を味わうことができました。
そして店の外に出て建物全体を眺めようとすると、
建物を取り壊した跡地の広々とした駐車場・・・
そこには平成30年の金沢の現実も、垣間見えたような気がしたのでした。。。
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