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さいきん、何度か浅草を訪れるうちに、
終戦直後に建てられた店が廃業や建て替えでどんどん無くなっていることを実感しました。
ちょっとダサ懐かしい浅草が、消えていきつつある現実。
賑わいが増したことでお金が流れ込んだ副作用なのか、”らしさ”がどんどん薄まっています。
もちろん廃業・閉店については店主の高齢化が一番の要因かもしれませんが…

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なのでこれからは極力、週イチくらいでそんな古き良き浅草の姿を無くなってしまう前に味わってみたいと思い・・・

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で、今回やってきたのは浅草寺の裏側に位置する花やしき。

目的の店は、その入口の真ん前にありました。

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「芳野屋」は、戦後すぐに建てられた時から七十年以上変わらぬそのままの姿を残す食堂です。

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庇の上の木製看板だけは目新しいのですが、それ以外はホントに2019年のTOKYOに存在しているのか?と言いたくなってしまうくらいに昔のまま・・・

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浅草に賑わいをもたらしてくれた外国からの観光客も、さすがにこのエリアまでは押し寄せてこないせいか、滅びの気配にも似た寂寥感すらあたりには漂い・・・

そんな光景に、しばしの間見とれてしまう自分がいます。

イケね、昼休みを使ってやって来たのでそんなに余裕はありません。

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さっそく木戸を開いて店内に入ってみると、
中には仕事終わりでウーロンハイを傾ける話し好きのオヤジさんが独り・・・

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それにしてもこの昭和感・・・濃すぎです!
平成もあと数ヶ月で終わるというのに、
あたかも昭和40年代の下町の歓楽街の空気がそのまま冷凍保存されていたかのような雰囲気!

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勝手に椅子に座ってタバコに火をつけてしばらくすると、
奥からお婆さんが出てきたのでさっそくラーメンを頼みました。

ここは・・・時間の流れもなんだか緩やかみたい。

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この店を独りで切り盛りしている齢八十を超すお婆さんがつくってくれた素朴なラーメン・・・
それは、僕が中学生や高校生の頃、消えゆく蒸気機関車を写しに行ったり、ダムの底に沈む村を訪れたりした旅の途中で食べた、キレイとはいえない食堂のそれと同じ味がします。
この味にココロ動かされない六十過ぎたオヤジは・・・多分いないよナ。

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食べ終わって支払いをしようとすると、店の外で外国人観光客数人がビールを買いに来たので、老女主人はゆったりと表に出ていったのでした。

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浅草花やしき前「芳野屋」は、誰にでもオススメ出来る店ではないですが、
僕のような年齢に達した男にとっては、なんか居心地がいいんですよネ・・・

あ~酎ハイも飲みたかったなぁ~~‼