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さて、鎌倉駅の西側に位置する古我邸をあとにして、
次に訪ねたのはJRを挟んで反対側、報告寺近くにある旧華頂宮邸でした。

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この建物は、長谷にある前田侯爵家別邸(鎌倉文学館)、さきほどの古我邸とともに鎌倉3大洋館と言われていて、昭和4年(1929)に元皇族の華頂博信公爵邸として建てられたものです。
庭園部分を含む外観はいつでも見学出来るのですが、内部は年に4回だけ公開されるのみ!

到着したときには庭の整備をしている方以外は誰も先客はなく、
由緒正しい皇族の館をなんと独り占めです!

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車寄せのある、華麗な英国風のハーフティンバー様式・・・
敷地の片隅には、密かに和のしつらいも。
しかし・・・予想してたよりも随分と大きな建物だよなァ~

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そしていよいよ、
裏の庭園に面した側に行ってみると・・・




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そこには、よく整備された幾何学的なフランス式庭園と、あまりにも上品で美しい邸宅・・・

まるで塀のない迷路のような庭園の小径をゆっくり歩きながら、自分が居る場所によって変わる建物の姿カタチを存分に楽しみます。

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庭園の奥まで辿り着くと、そこには移築された茶室などの和風建築も・・・

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最奥部から引き返して、今度はバルコニーへ・・・

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ベンチに座って、シンメトリーな庭園越しに鎌倉の緑深き谷戸を望む・・・

おもわず・・・かつて、自宅としてこの豊穣なひとときを満喫してきた住人の、そのあまりにも現世とはかけ離れていたであろう暮らしぶりに思いを馳せてしまいます。
それは、美しくもちょっぴりシュールさすら感じさせる光景・・・

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そんな、バルコニーからのフランス式庭園を眺めているうちに、
むかし、学生時代に観たある難解なフランス映画を思い出してしまいました。

1961年に公開された、アラン・レネ監督の『去年マリエンバートで』・・・
広大なフランス式庭園を持つ館を舞台とするベネチア国際映画祭金獅子賞を獲得した作品なのですが、
当時名作映画を片っ端から名画座で観ていた僕にとってはもう???! サッパリ理解できない映画だったんですよねェ~



あの頃は面白いか面白くないかじゃなくて、
その作品を実際に観たという事実が欲しかったような気がします。
まだ若かったんだなァ~

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そういえばこの華頂宮邸、何度かドラマにも使われたそうです。

令和の時代にぜひ、この華麗な洋館を舞台に名作を撮って欲しいもんですねェ・・・

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日も傾いてきたので
満員のバスに揺られて駅へ・・・

英勝寺、古我邸、そして華頂宮邸。
ひと気のない、戦前の鎌倉を巡ったショートトリップでしたが、
小町通りに入ってみると、そこはいつもながら・・・観光客だらけの今の鎌倉の姿なのでした。。。