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かつてE-TYPEで唯一度だけ、イベントに参加したことがあります。
今からちょうど20年前、1989年の第5回「六甲モンテミリア」です。

その年の春に念願のE-TYPEを手にいれた僕は、
秋に行われる、この当時の日本では比類なきヒストリックカー・イベントであった、
「六甲モンテミリア」に出ることを最初から考えていました。

ミッレ・ミリアにヒントを得、
瀬戸内海をアドリア海に、六甲の山々をアペニン山脈に見立て、
ポートアイランド市民広場(ここも周りに柱がイッパイあってイタリアっぽい)を
スタート/ゴール とする、とても遊び心に溢れ、かつオシャレな二日間にわたるイベントです。

僕は会社の大先輩(彼はオレンジのAUSTIN HEALEY 100/4)と一緒にエントリー。
金曜(イベント前日)に会社を半休し、環八までE-TYPEを持って行き、ヒーレーと一緒に
トランスポーターに載せました。
翌朝 新幹線で新神戸へ。
地震があって予定より相当遅れてポートアイランド広場に着くと、
ちょうどトランスポーターからクルマを降ろしているところでした。

広場には、アルファSZとTZが各々5~6台、フェラーリは250GT(ルッソ含む)、
275GTB(NARTスパイダーも!)、デイトナ(スパイダーも)各々複数台、
あとはアバルト、スタンゲリーニ、ランチア、コブラ289、300SL、ブガッティ、
ポルシェ550A、ジャガーD-TYPE・・・・『赤いクルマ』を中心に
夢のような光景が繰り広げられていました。

CGの小林影太郎さんはアルヴィス3.5Lで、企画室ネコの笹本健次さんはフェラーリ275GTBで、マツダコレクションの松田芳穂さんはフェラーリ365GTB4スペチアーレで、
エントリーされていました。

初日は展示および会場内のデモンストレーション走行、神戸ポートピアホテルでのパーティー。
翌朝8:00より1分間隔でスタートし、六甲山を目指します。
僕のE-TYPEはゼッケン014。マイク・ホーソンを気取って、
モスグリーンのジャンバーにハンチングを被り、CO-DRIVERで同乗の会社のスキモノ先輩も
同様の格好で出撃です。
チェックポイントは、摩耶山・篠山城址・有馬温泉の3ヵ所。
秋空に恵まれ、最高の気分でドライブできました。
スタート地点やチェックポイント、そして六甲の山道(の特にコーナー)にまで、
おびただしい数のギャラリーやカメラマンが詰めかけてちょっと驚き、嬉しかったのを覚えています。
戻る途中、裏六甲の下りでブレーキトラブルを起こしかけたり
ちょっとしたハプニングはあったものの無事ゴール。
フェアウェル・パーティーの後、”現実”が待つ東京方面へ、僕らは戻りました。

結局、この第5回が「六甲モンテミリア」の最後となりました。
過去にフェラーリ250LMやアストンマーチンDBR-1、ディーノ206SP
などが参加した、この宝石のような公道イベントも、騒音・混雑などの苦情が寄せられ、神戸市の支援を受けられなくなったことが原因と聞いています。
(一説には前年出場したフォードGT40のすさまじいエグゾーストが引き金とも・・・・)

20年前の”夢の世界”・・・・
今 僕の手元には、パンフレットとガレージに貼ってある014番のゼッケン、
2枚の変色した写真、20年前の(今よりホソくてクロいアタマの)自分がいるエントラントパス、
そして(幸いにも)E-TYPE、が残りました。

夢の続き・・・・は、今でも大黒パーキングで(より自由な形で)行われていると思っています。
クルマ好きにとって、とても幸せなことなんじゃないかな・・・と感じます。