
それも、”距離を実感”したくて新幹線を使わずに在来線で・・・
(ホントは懐が寂しくなったってなハナシも・・・?)
しかし、普通列車で横浜から高崎・・・遠い!

さて、その目的は、駅西口にある昭和の面影を色濃く残す街に現存する映画館を訪ねるためなのですが、まずは高崎駅から歩いて15分ほどの場所にある中央銀座商店街、その裏手の柳川町という廃れた歓楽街を目指します。

午前中という時間帯のせいなのか?
はたまた夜になってもこのような雰囲気なのか・・・
張り巡らされたような狭い路地に密集する数多の小さなスナックや飲み屋・・・古臭くて暗い印象を受けてしまうのは、なにも垂れ込めた分厚い雲のせいばかりでもなさそうです・・・
↓おまけにこんなドキッとするような店名看板も・・・?



そんな迷路のような路地を恐る恐る歩いていくと、錆びた階段が印象的な廃墟となった大きな建物が・・・
表側に回ってみると、オリオン座という映画館であったことがわかります。

この中央銀座から柳川町にかけては、いにしえの昭和の時代には大層栄えたようで、数件の映画館が存在したそうなのですが、このオリオン座は大正15年開業。2003年に廃館・・・


最後の上映となったのでしょうか・・・
『ハリーポッターと秘密の部屋』のポスターが泣かせます・・・
打ち棄てられた「70mm劇場」と謳う看板が、なんだかメランコリックな気分にさせてくれるよなァ~


さて、オリオン座の裏手、狭い路地に再び戻り、歩みを進めていくと・・・
前方に巨大な建物が見えてきました。
これが今回の目的である高崎電気館!


高崎電気館は、高崎初の常設映画館として高崎随一の花街であったこの柳川町に大正2年に誕生したのですが、テレビの普及により斜陽化がすすみ、平成13年に閉館。
その後は所有者から市に寄贈され、フイルム・コミッション事務局がつくられて、実際に稼働する映画館として今でも生き続けているのです。
現在の建物は昭和41年に建て替えられたモノ・・・
先程のオリオン座と較べると ある意味好対照、シアワセな余生を送っているとも言えそうです。




で、僕がなぜ強行軍でやってきたかというと、いま催されている角川映画祭、その中でも、松田優作主演の『蘇る金狼』をどうしても観たかったからなのです!
昭和の時代のアクション映画を、昭和の時代で時が止まってしまったかのようなハコの大スクリーンで観る・・・これに勝る旧い映画の鑑賞方法って、果たしてあるのでしょうか!?


さあ、では半ば廃墟の香りも漂う劇場に入っていくとしましょうか。
くすんだグリーンに変色した階段を登った先には、果たしてどんな光景が・・・?



二階は恐らくは昔のままの姿を留めているのでしょう。
そこには昔の映画のチラシやポスター、高崎電気館華やかなりし頃の写真、そして角川映画の懐かしいポスターももちろん貼られていました。
僕の脳裏には、『レッドサン』や『ロッキー』、『神田川』や『人間の証明』とかを観に行った横浜や渋谷の懐かしい映画館の景色が、瞬時に甦ります・・・
僕の脳裏には、『レッドサン』や『ロッキー』、『神田川』や『人間の証明』とかを観に行った横浜や渋谷の懐かしい映画館の景色が、瞬時に甦ります・・・







さっそく13:00の回に上映される、1979年封切りの『蘇る金狼』のチケットを買い求め、いざスクリーンへ・・・



椅子にかけられたカバーの広告も・・・実に泣かせますねェ~
そして二時間以上にわたって上映された『蘇る金狼』は・・・
荒唐無稽で絵にこだわったストーリー!
荒唐無稽で絵にこだわったストーリー!
エキゾチックでバイオレンス満載!そしてエロスも・・・という、This is 昭和の時代のエンターテインメント!!
松田優作が、シビれるほどカッコいい!!!
彼のドライヴする白いマセラティ・メラクや真っ赤なランボルギーニ・カウンタックを大スクリーンで観れただけで、僕はもう大興奮です!
(もちろん風吹ジュンの濡れ場もちょっぴりコーフンしましたけどネ・・・)



映画館という存在がシネコンにほぼ淘汰されてしまった現在、
昔懐かしい映画をフルスクリーンで観る・・・いわばタイムマシンにも似た体験の出来る、この高崎電気館のような ” 生きている ” 劇場は、ある意味登録有形文化財に指定してもいいのではないかと思ってしまいます。
それは、日本の娯楽文化の生き証人・・・・
映画館自体が、その語り部となれるのですから。。。
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