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きょうは朝からずーっと雨・・・
この土日は、秋のヒストリックカーイベントが集中する一つ目のピークで、ラ・フェスタ・ミッレミリアやフェラーリ70th なども雨に祟られる残念なことになってしまいました。もちろん大黒PAのMTGも順延で、僕のE-TYPEもガレージで惰眠状態です。
ところで、ふと思ったのですが
このブログを始めて8年以上も経つのに、そのタイトルとなっているE-TYPEについては今まで一度も詳細をお伝えすることがありませんでした。

なので、今回の記事は僕のE-TYPEについてを・・・

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28年前の1989年早春、六本木で深夜まで飲んでタクシーで家へ帰る途中に世田谷公園近くの英国車専門店のショールームでたまたま見かけた赤い3.8リッター、左ハンドルのシリーズ1クーペ・・・
それが僕の1963年式のE-TYPEです。
基本的には最初にデザインされたそのままの姿・・・

ピッカピカのレストア済みではなく、西海岸から持ってきたほぼそのままの姿だったんですが、リアのハッチゲートに付いていたジャガーのエンブレムは、どうしても”JACUAR”としか見えずにとっても不思議でした。
そんな状態だったからでしょう・・・当時のトヨタ・マーク2の新車くらいの値段だったので、「これならイケる!」とMGミジェットを売り、不足分は銀行で借金して衝動買いしてしまったワケなのですが、予想通りに待っていたのはイバラの道・・・

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まずはその外観。
カリフォルニアの太陽に長い時間焼かれた肌はボロボロで、特にボンネット先端部分はヒビが幾つも発生している状態・・・
『いつか塗り直せばいいや』
なーんて思っていたら、”中身”の修理に追われているうちに結局綺麗に出来たのはやっと去年。
上の写真のエグゾーストパイプも、オリジナルは腐りかけていたので早々にステンレス製に交換しました。
その頃は円が強かったので、「安い!」と思って英国から個人輸入したのですが、運送費が高いんだよなァ~デカくて重いパーツって・・・

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あ、そうそう、
僕のクルマはカリフォルニアカーなので、最初は下の写真みたいにオーバーライダーに穴を開けて横方向にラウンドさせたバーが差し込まれていたんですョ・・・

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でもあんまりカッコ悪いので、買った店でそれは外して穴はボルトで塞いでもらいました。凹んでいたオーバーライダーはそのままに。
で、このあいだ全塗装をした時に、このオーバーライダーの凹みは修整して再メッキをかけたのですが、ボルトは悩んだ末残すことに。
なんとなくなんですが、僕はそのクルマのヒストリーって結構大事にしたいんですよねェ~
コベントリーで生まれてすぐ、大西洋を渡って、アメリカ大陸を横切って西海岸に棲みついたアメリカ黒豹・・・
オーバーライダーの穴は、そんなこのクルマの象徴みたいに思えてきてしまって。
まァ単純にボルトとかリベットとかが沢山並んでるとコーフンする・・・っていう性分でもあるのですが・・・

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サイドミラーは旧い英国車によくあるタイプ。メッキの艶もなくなって、だいぶ劣化してますね~
高価なタルボットミラーをボンネットに装着しているE-TYPEも見かけることが多くて、カッコいいなァ~とも思うのですが、僕はこの決して目立つことのない、サイドビューをあまりスポイルしないミラーでもいいかナ・・・なんて感じています。
ワイヤーホイールは買った時から状態が良くなくて、スポークが1~2本無くなっていたりしたので、数年前に格安中古ホイールに交換。
これはホント、お値打ちだったワ・・・!

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さて、インテリア。
僕のE-TYPEはフラットフロアではありませんが、3.8Lモデルでも初期の方なので中央のメーターパネル~センターコンソールがアルミ板で出来ています。
これは僕にとっての絶対的なチャームポイント。
よくE-TYPEは4.2Lのシリーズ1が最高だと書いてある本があったりしますが、このアルミ板、シートのカタチ・・・デザイン的にはこちらの方が断然優れているように思います。あくまで私見ですけどネ。
買った当時はブラックだったシートとシフトカバーは、ボディに合わせて赤に。
くたびれてきたおかげで、今ではちょうど良い落ち着いた色になりました・・・

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小さくて可愛い、クロームメッキが施された回転式の灰皿にはリーピングキャット!
こんな細かい部分にも、オリジナルデザインの素敵なテイストが凝縮されているように思えます。
残念なのはそのすぐ上のメーターやスイッチの名前を表示した細長いプレート。
オリジナルが腐って折れてしまったのでレプリカパーツに変えたのですが、パソコンによる書体は余りに安っぽく、凹凸にホワイトを入れたオリジナルに対して単なる印刷・・・今後オリジナルを探していかなくてはなりません。


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さて、ウッドリムのステアリングはオリジナルなのですが、塗装から帰ってきたら左下に酷い傷がついていましたョ!
まったく!
これからしばらく乗って、馴染んだあたりでニスでも塗るしかないかナ・・・

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さあ、いよいよ一番苦労をしてきたエンジンルームです。
買ったときにはまともな電動ファンなどついておらず、細いプロペラみたいなファンのみ。それで夏場に酷いオーバーヒートを起こしたことが原因で一年たたずにエンジンOHと相成りました。
ピストン6本も作り直して・・・
1年近い闘病生活で、僕のカードローンはマックスに!!

オマケにエンジン以外もノンシンクロのギアボックスが劣化していたのかあまりに入らないので4.2L以降用のフルシンクロタイプに交換。こちらはアメリカから船便でお取り寄せでした。
やっぱ4.2Lが最高っていうのはこのミッションのせいでもあるのかなァ~

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でもこのエンジンルームの眺め!
アルミが鈍く輝くトリプルSUキャブレターとそれを繋ぐ複雑なアルミパーツが織り成す景色は、まるで川崎とかの臨海エリアにある旧いコンビナート工場を連想させる実にメカニカルな美しさです。
この部分は簡略化されたパーツを用いている4.2L以降のE-TYPEにはない魅力なんですよねェ~
これらの部分はエンジンOH時に本体から外して、僕が自分でゴシゴシとクリーニングしたのですが・・・あれからもう27年もたってんのかァ~

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ところである意味最も手を焼いたのは、この水まわりのヘッダータンクかもしれません。最初についていたヤツは穴が開いて水漏れ・・・
次に装着した新品(!)のリビルトパーツも程なく水漏れ・・・
一度その穴を塞いで修理してみたものの再び水漏れ・・・
その度にオーバーヒートを起こしてレッカー車に乗る羽目に。

なのでワンオフでイチから作り直してもらったのが今のモノなんです。
僕は前述のように、極力このE-TYPEが54年前に英国を旅立った時のままのMade in England の部品で構成された姿でこのクルマを維持したいと思っているのですが、割れたり腐ったり、そしてこのヘッダータンクみたいに用をなさなかったりした場合はもう仕方がない・・・ですよネ。

下の写真のブレーキ周りも、一時期苦労したよなァ~
ちなみにフニャッとした可愛い声を出す赤いホーンは、はじめからイタリア製のモノがついていました。

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ALL ABOUT MY JAGUAR E-TYPE・・・

雨でやることのない日曜日、
ガレージでE-TYPEをいろいろ観察していると
もう忘却の彼方となってしまったこのクルマとのことが色々思い出されて、

『よくもいままで別れずにつきあってきたよなァ~お互い・・・』

な~んて、あらためて思ってしまったのでした。。。