イメージ 1

さて、昨日のハナシの続きですが、
西舞鶴で泊まったのは、この古色蒼然とした姿を今に残す「茶又旅館」でした。
昭和の薫り漂う中央商店街の文字通り中心、いわばランドマーク的な存在です。
かえすがえすも上の写真右側の築百年の金物屋の建物が取り壊されるのが残念・・・と思えるくらいにタイムスリップ感溢れる素敵な外観!

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

赤いベンガラ壁が特徴的なこの「茶又旅館」ですが、その歴史は創業二百七十年!
しかし戦時中に空襲を受けた場合の延焼を食い止めるために前の道路が拡張され、それに伴って取り壊しの憂き目に遭ったがために今の建物は戦後すぐのものなんだとか・・・
しかし先代の御主人は意地もあって以前からの建物と寸分違わぬように建て直したそうですョ!
なので築七十年弱なのですが、その佇まいは水運と商業で栄えた城下町・西舞鶴を代表する宿であったことを偲ばせてくれる風格を感じさせるものでした。

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

さっそく来訪の意を告げて女将さんに案内していただき・・・

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11

建物奥の急な階段を上って通されたのは、裏に流れる運河に面した広い座敷でした。
木製建具・・・雪見障子が素敵・・・
炬燵も嬉しいよなァ~

イメージ 12

イメージ 13

イメージ 14

イメージ 15

こちらは隣の部屋。竹を多用した床の間が実に素晴らしかったですョ!




で、昨日の記事で御紹介させていただいた”ニッポンのベネチア”、吉浦地区を訪れるために外に出てみたのですが、下が運河から眺めた「茶又旅館」。
二階の右側が僕が宿泊するトコロです。

イメージ 16



そして、吉浦方面から帰ってくると・・・
暮れなずむ商店街にはあかりが灯り、「茶又」と朱色で記された看板にも電気が入って、実に郷愁を誘う素晴らしい眺めが・・・
思わずうっとりと見惚れてしまいます。

イメージ 17

イメージ 18

イメージ 19

イメージ 20

イメージ 21

さあ、歩き疲れて喉も乾いたあとの待望の夕食・・・
もちろんビールもなんですが、この文字通りレトロな栓抜きに目は釘付けです!

イメージ 22

この「茶又旅館」・・・90代の御主人と80代半ばの女将さんで切り盛りされているのですが、夕食は、なんとその女将さんが急な階段を上って運んできてくれる部屋食です。
ホント、なんか申し訳ないような・・・

イメージ 23

イメージ 24

しかもその食事の内容は品数も多く、舞鶴で獲れた近海の魚介類を中心とした料理はどれもが超美味!
特に小振りではあるものの魚に関しては味が濃くてもう絶品!
この宿代のレベルでは到底ありえないような・・・
なのでついつい御飯もお代わり、日本酒も二合頼んじゃったりして・・・

イメージ 25

イメージ 26

器を下げに来た女将さんとも話したのですが、
御主人が教員だったために、若狭から嫁いできた彼女は戦後この旅館をほぼ独りで回していて寝る間もなかったくらい忙しかったそうなのですが、商用で舞鶴を訪れる方もだんだん減り、遂には毎月決まって予約をしてくれていた最後に残ったひとりも訪れることはなくなってしまったそうです。
恐らくはPCの普及によって、対面での商売が激減したからなのでしょうが、なんとも寂しいハナシ・・・

ちなみに盆に載せた食器は、彼女よりも相当”若い”僕が一階まで下げさせて貰いましたョ!
酔ってたのでちょっぴりアブなかったんですけどネ。




ところで・・・酔っ払っていたので程なく眠くなり、早々に寝てしまったのですが、朝起きてみると外は一面の銀世界!
窓から眺めると、黒々とした運河以外は白い世界で覆い尽くされていました・・・

イメージ 27

イメージ 28

なんだか・・・
モノトーンの、静寂で張り詰めたような美しさにココロ動かされてしまいます・・・

イメージ 29

なので昨晩の残りの冷えた日本酒で、炬燵に入って雪見酒!
もう最高な気分だよなァ~

イメージ 30

ということで、ホロ酔い加減で一階の座敷に用意された朝食を・・・

イメージ 31

イメージ 32

イメージ 33

こちらも朝から若狭鰈!
絶品です・・・
そして雪は・・・ますます強く・・・

イメージ 34


支払いを済ませて外に出てみると、
「茶又旅館」は雪に霞んだ最高の姿でコートの襟を立てた僕を見送ってくれました。

イメージ 35

イメージ 36

イメージ 37

イメージ 38

宿にいる間もほとんどが酔った状態だったけど、
最後はその美しい姿に酔いしれた西舞鶴「茶又旅館」・・・

イメージ 39

イメージ 40

イメージ 41

イメージ 42

イメージ 43

ずっしりと重い革製のボストンバッグを手にしていた僕は、
雪が積もった「若の湯」を横目に、
次に訪れる街へ急ぐべく、駅への歩みを早めたのでした。。。