
そして特急『能登かがり火5号』で和倉温泉へ・・・
日本屈指の有名旅館である「加賀屋」の企業城下町?と化している和倉温泉ですが、実は僕は以前から行ってみたかった旅館があったのです。
それは、「渡月庵」。
かつてのこの温泉街の名残を唯一残す、大正時代の建築がそのまま残る純日本旅館・・・


「加賀屋」の高層ビルに取り囲まれているこの「渡月庵」・・・今となってはこの和倉温泉の異端のように感じられますよネ。

さっそくチェックインを済ませて、大正4年(1915)に造られた、和倉温泉最古の数寄屋造りへ・・・





予約してあったのは、匠の技がふんだんに使われている、この宿で最も広い一階の特別室『まつの間』です。
格天井に立派な黒檀を使った床の間、
松と孔雀を彫り込んだ欄間に入り江を臨む縁側・・・
次の間がついた15畳の角部屋は開放感いっぱいの居心地の良さ!








ところでこの「渡月庵」の最大の見せ場は、
まるで池のような小さな入り江に面した、その建物正面の姿・・・
さっそく外に出て外観を楽しみます。



水辺に浮かぶ、まるで竜宮城のような姿じゃありません?
ちなみに真ん中に飛び出している部分の一階が今回宿泊する部屋だったりします。


海面にゆらゆら揺れる水鏡を眺めているうちにあたりは暗くなり、夕食の時間も迫ってきました・・・


宿に戻ってまずは風呂へ。
塩分を含んだぬる目の湯は、いかにも海辺の温泉って感じです。

で、いよいよ一階の大広間での夕食・・・
他のお客さんもいたので全体像は写せていませんが、ここもなかなか魅力的な意匠を施された場所でしたョ!








基本的には古き良き温泉旅館の料理だったんですが、地元産の魚介に牛肉を加えてなかなか豪勢な食事・・・
小さなお釜で炊かれていたのは蟹飯でした!


この「渡月庵」は元々はもっと大規模な旅館だったそうなんですが、経営状態が芳しくなかった時期に土地・建物を切り売りして、今ではこの左右対称に近い建物だけになったそうです。でも最後まで残したということは、それだけかけがえのない貴重な建物だった証拠ですよネ!?
では、その夜の姿を・・・




効果的にライトアップされた松に、客室の灯り・・・
漆黒の入江に影を落とす「渡月庵」の美しさは、まるでそのなかに乙姫様でも隠れていそうな雰囲気を醸し出しています。
遠く七尾湾には漁火が・・・



ライトアップされた松や灯籠、光を反射しながら揺らめく入り江・・・
部屋に戻って縁側の椅子に腰掛けて一服していると、
いつのまにか…時は過ぎていったのでした。。。
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