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さて、GW最終日は田沢温泉「ますや旅館」を後に、再び上田にやってきました。
まず訪れたのは、笠原工業 旧常田館製糸場・・・国の重要文化財です。

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上田駅前の道を小諸方面に歩いて10分くらいでしょうか・・・
信州の抜けるような青空と新緑を背景に突然現れた、白壁の特異な外観を持つ木造五階建て倉庫!

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この巨大な建物は、明治33年(1900)に笠原工業の前身である笠原組の創業以来、繭の集散地であった上田にあってその中核産業となる蚕糸業の象徴として、120年近く当時のままの姿を伝えてきた近代化産業遺産です。

冒頭の画像、白い壁にペールグリーンの窓枠を持つ瀟洒な洋館は、道を隔てて反対側にあるこの常田館製糸場の事務所兼館主住宅。

これらを中心に7棟の建物が重要文化財の指定を受けているのですが、明治の開国以降、日本の国力を支えた生糸輸出に貢献してきた施設がこれほどまでに綺麗に維持されてきたことには・・・ちょっと驚かされてしまいますねェ~


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当時にしては珍しい鉄筋5階の茶色い繭倉庫ももちろん素晴らしかったのですが、なんと言ってもこの木造五階倉庫・・・!

寒い季節に繭を保管するための暖かな空気を送り込むボイラーや煙突に至るまで完璧な姿で残っています!!
そしてあたりには百年以上昔の、蚕都(さんと)上田を偲ばせるちょっと湿った空気が流れているような感じ・・・

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薄暗い館内、踏みしろが極端に短い急な木製階段、簡素なエレベーター・・・

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蛍光灯以外は、この巨大木造建築が竣工した明治時代のまま。

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慎重に、手摺もない階段を最上階まで・・・

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独りっきりの少しヒヤッとする空間・・・
なんだかホントに百年前にでもタイムスリップしてしまいそうな異次元体験です。

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五階から見たエレベーター・・・

階段を一階分登る毎に、もしかしたら30年ずつ時代をさかのぼってきたのかナ・・・なーんて妄想も入ったりして・・・

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最上階の階段を隔てた反対側には、往時のままに繭を保管していたであろう大きな空間がありました。

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そこでしばし、日本の近代化当時に思いを馳せ・・・




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常田館製糸場は昭和59年に生糸の生産を終了したのですが、
初めて海外に輸出された絹はこの上田で生まれた製品だったそうです。

新幹線の車窓からもその姿が望める明治の近代化建築遺産・・・

もしかするとこの建物は、僕が住む街にある横浜港に続く、日本最古のシルクロードの起点だったのかもしれませんネ。。。