
さて、GWに訪れてからもう随分時間が過ぎてしまいましたが、北陸新幹線に乗って上田で降り、駅前の通りを歩き始めてすぐに見つけることの出来る近代建築・・・
それが、みすゞ飴本舗の飯島商店です。

その外観とはうらはらの、大正13年に建てられた木造三階建て!
表面の壁塗りを石目地に仕上げているため一見石造りに見えますが、日本古来の木造建築工法で洋風建築を造ったんですねェ~


この建物の竣工当時の上田は全国有数の養蚕の拠点として空前の活況だったため、景気の良さに後押しされて同様の木造洋風建築が多く建てられたそうですが、その後の衰退期と道路拡張によってほとんどが取り壊され、飯島商店だけがその姿を今に伝えるだけとなってしまいました。
もちろん国の登録有形文化財・・・

さっそく中に入ってみると・・・

店舗建築らしい天井の高い空間に木の床・・・
実に落ち着いた雰囲気です。





その一角の木製のショーケースには、色鮮やかなみすゞ飴。
老舗らしいクラシカルな売り場には、制服姿の店員さんが立ち、コンシェルジェ然とした初老の男性が全体を見守ります。



みすゞ飴は、百年以上の歴史を持つ完熟果実を使った和風ゼリーなんですが、恐らくは羊羹とか饅頭しかなかった当時、和菓子の技術でつくられたこの美しい色とりどりのゼリーを口にした人々は何を思ったのでしょう・・・?
きっとこのようなお菓子が当たり前の西洋文化に憧れを抱いたのかしら。
近代建築に憧れて日本独自の木造建築工法で洋館を建てたように・・・
だとすると、この上田駅前文化財の店舗は、その取り扱う商品を同じ文脈で具現化した存在だとも言えそうです。


せっかくなのでお土産にみすゞ飴をいくつか買って帰ったのですが、

改めて味わうと、
ちょっと子供の頃を思い出させてくれる絶妙な美味さでしたョ。。。
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