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世界遺産 富岡製糸場のある上州富岡。
かつては繊維産業で栄えたこの街も、過疎化と産業の衰退に歯止めがかからず
その路地が入り組んだ歓楽街もシャッターを下ろした店や既に廃墟となった建物、そして更地が目立ちます。
その中にあってこの割烹「萬屋」は、
芸者を呼べる料理屋として百年以上に渡って富岡の街の隆盛を眺めてきた存在・・・


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その佇まいは、
子供の頃に見た料理屋を思い出させる
なんとも言えぬノスタルジーを感じさせてくれます。


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幸いにも今回予約することが出来たので、
木製扉を開けて・・・


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この「萬屋」は大正元年の創業。
当時の建物、つまり百年以上の歴史を経てきた店舗で今に至るわけですが、
まずは玄関まわり。
帳場には燗をつける道具が置かれ、電話室が備わっっているのが実に時代を感じさせます。

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奥に通じる細長い廊下には変わったデザインのステンドグラス。

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特徴的な丸窓を横目に階段を上がると、素敵な組子細工の建具・・・・

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そこは食事をした蔵座敷の真ん前なのでした。


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襖に美人画が描かれた広い座敷を独り占めしてビールに鰻・・・真夏日の昼飯としては、こりゃ最高の組み合わせ!?

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食後は女将さんの案内で他の部屋を見せていただいたのですが、
この山岡鉄舟の掛け軸がかけられた大きな座敷は雨漏りが酷くて今は使えないそうで・・・

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実は奥行きのある巨大木造建築のこの店舗、
瓦を補修するだけでも莫大な費用がかかってしまうようです。
いくら世界遺産を擁するとはいえ、
基本的には上州富岡は斜陽の街・・・
百年建築を維持していくのもなかなか大変そうです。


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上州富岡 割烹「萬屋」・・・

この街の古き良き栄華を極めた時代の香りを今に伝えるこの老舗料理屋があればこそ、
その中核を成してきた世界遺産の富岡製糸場も、より価値を増し、輝きを放つように思えるのですが。。。