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上州・下仁田はネギやコンニャクの産地として有名ですが、この小さな街に かつてはそれ以外にも材木や木炭、蚕などの名産品を買い付けに全国から商人が集まり、それらの人々をターゲットとした旅館・割烹・遊興施設などが生まれ、花街を形成していたそうです。

今の寂れっぷりからはまるでお伽噺の世界のように思えてしまうのですが、
そんな隆盛を極めた頃の遺物があちらこちらに残されているのがこの街の魅力。


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下仁田駅を出て左手に・・・
旅館「常磐館」横の中央通りを進んでいくと、
かすれた文字がかろうじて看板に残る元パチンコ屋の建物、
そしてその隣には所々に赤や青の小さな硝子が嵌った木造建築・・・
そのガラス扉には、撞球場の文字。


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そう、ここは半世紀以上前に閉鎖された撞球場(どうきゅうじょう)、つまりビリヤード場跡なんです。

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建物自体、微妙に傾き、相当傷んでいることが容易に想像できますが、
かつてこの地を訪れた商人たちが女たちとともに興じたであろうビリヤード台が
暗い室内に残されていました。

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壁のポスターは、
この建物が映画のロケに使われた時の小道具だと思うんですが、
いや、もしかしたら当時からの・・・?
って感覚にさせてくれるのは、
この安っぽい色フイルムが貼られた 薄暗くて湿っぽい空間の為せる業なのでしょうか・・・


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かつて賑わいをみせた街・下仁田。

その栄華を偲ぶことの出来た、撞球場跡・・・
束の間のタイムスリップなのでした。。。